薬膳の基礎

薬膳のすすめ

長い間、料理教室を通して多くの人とふれあう中で、歳を重ねるごとに、「なんだか調子が悪い」「病院に行くほどでもないのだけれど、ずっとつらい」と言う人たちが周りに増えてきました。「なぜだろう?」そう考えていたとき出会ったのが薬膳料理です。私たちは誰もが病気を抱えて長生きをしたいわけではなく、元気で長生きしたいと願っています。

 

中国では、病気ではないけれど、身体が不調の状態を未病といいますが、そういった体のバランスの崩れを食事で整えて健康を保つ予防食の「薬膳」が3000年前から行われており、現代に伝えられてきました。長い年月をかけて多くの人が実践して、良いものだけが残ってきたのですから、その効果は実証ずみといえるでしょう。

「薬膳」と聞くと、いわゆる漢方の生薬や、薬草、乾燥させた昆虫など、特殊な食材で作った苦い料理を連想される方が多いと思いますが、それはほんの一部です。「薬膳」とは東洋医学(中医学)の理論に基づいて考えられた、自然を重視し、季節やその人の体調に合わせて作る健康料理のことです。薬ではなく、膳(食)です。食事であるからには美味しく、楽しくなくてはいけません。「薬膳」の考え方の一つに「医食同源(菜食同源)」というものがありますが、これは、「食材の全てに、大なり小なりの効能がある」ということ。その中で特に効能の強いものが薬となったわけで、そもそも「薬と食の源は同じである」という考え方なのです。

現代の日本の西洋医学においても、食事や生活習慣によって体質や体調の改善をはかり、病気を防ぐという予防医学がキーポイントと云われています。体内バランスの乱れを食で整えて、免疫力を高め、病気にならないようにする薬膳はこれからますます必要とされる料理の分野となることでしょう。

中国で生まれた「薬膳」ですが、私たちは日本人として日本の土地に暮らしています。「身土不二」という言葉がありますが、これは「人の体は生まれた土地の自然環境とは切り離せないもの」という意味で、その地域でとれる作物を食べ、そこで生活することが健康に一番いいという教えです。日本食は近年、低カロリー、低脂肪の健康的な長寿食として世界で注目されています。この「日本が誇る長寿食」と、中国で長い間受け継がれてきた「薬膳」という健康理論を融合させ、日本で入手しやすい食材を使って、日本人の体や味覚に合うように考えられた新しくて美味しい日本型の薬膳ライフ、皆さんも始めてみませんか。

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フードコーディネーター 北村眞智子